Aさん(40代・男性・給与所得者)は、自転車で走行中に加害車両(自動車)に後方から衝突され転倒し、腰椎横突起3箇所を骨折しました。加害者はAさんを救護することなく、その場を立ち去りました。
Aさんは、腰背部痛を訴え、1年以上の治療を余儀なくされましたが、症状固定時においても骨折箇所の一部は完全には癒合せず、そのため腰背部痛の症状も残存しました。そこで、サリュが後遺障害の申請を行い、後遺障害等級14級の認定を得ました。
保険会社と任意の示談交渉を行う場合、後遺障害等級14級のケースでは、労働能力喪失率は5パーセントを、同喪失期間は5年を上限に、これを上回る逸失利益を認めさせるのは非常に難しいのが現実です。また、Aさんは腰背部痛に苦しみながらも休業は最低限にとどめるように努めていましたので、事故後、Aさんの収入に減少は生じていませんでした。そのことが逸失利益の算出にあたっては不利に影響するのではないかとの懸念もありました。しかし、サリュは、Aさんの残存症状が腰椎横突起骨折という器質的損傷に基づくものであり、骨折箇所が完全に癒合しなかったからには、今後数年でAさんの症状が消失することはありえないと主張して何度も交渉した結果、労働能力の5パーセントを8年に亘り喪失したという内容で合意に至りました。
また、Aさんは、加害者のひき逃げという悪質な行為に大変憤っていらっしゃいました。サリュは、なんとかAさんのお気持ちを賠償額に反映させたいとの思いから、通院慰謝料の増額事由として加害者の態様の悪質さを考慮するよう粘り強く交渉したところ、裁判上の一般的な基準額を2割上回る通院慰謝料を支払うとの内容で話がまとまりました。
このように、逸失利益と通院慰謝料の大幅な増額に成功した結果、最終的に約450万円の賠償額で示談が成立しました。
今でも、Aさんは腰背部痛に苦しんでいらっしゃいますし、加害者への怒りがなくなったわけではありませんが、上記示談内容には満足してくださり、今後は事故前の生活に少しでも近づけるように前向きな気持ちで取り組みますとの力強い言葉とともに、たくさんのお礼の言葉をサリュへ下さりました。
サリュは、裁判でも、示談交渉でも最善の結果を目指します。