Yさん(女性)は、朝の通勤中、横断歩道上を歩行していたところ、右後方から曲がってきた乗用車と衝突し、右大腿骨頚部骨折、左膝蓋骨骨折、骨盤骨折、脾損傷の傷害を負いました。
特に右大腿骨頚部骨折の程度は酷いもので、人工骨頭の挿入が不可避となり、約4か月半に及ぶ入院によるリハビリテーションを余儀なくされました。杖がなければ通常の歩行は困難となり、日常生活や仕事にも大きな支障が生じました。収入も大幅に減少してしまい、元の生活を送ることは難しくなりました。
退院後も通院でのリハビリテーションを続けていたYさんは、主治医から人工骨頭の入換えも必要になるかもしれない等と言われ、自らの将来について大きな不安を抱くようになりました。加害者からしっかりと賠償を受けたいと思い、交通事故被害者救済を専門とするサリュの無料相談に来られ、後遺障害申請や示談交渉を依頼することにしました。
事故発生から約1年が経過した時点で、Yさんは主治医から症状固定と診断されたため、サリュは、Yさんに対して適切なアドバイスを行い、主治医に後遺障害診断書などの必要書類の作成を依頼しました。診断書が完成した後、サリュが内容を確認したところ、誤解を招くおそれのある書き方がされており、主治医に訂正をお願いしました。
その後、サリュが自賠責保険に対する後遺障害申請(被害者請求)を行い、Yさんに残存する症状は併合8級と認定されました。この結果を踏まえ、サリュではYさんにとって適正な賠償額の算出を行い、保険会社との示談交渉に臨みました。
示談交渉の過程では、Yさんに残存する症状が特に重篤な症状であって精神的苦痛も大きいことから慰謝料の増額を求める主張、将来における生活や仕事への支障を考慮して逸失利益を求める主張、将来において人工骨頭の入換えが必要になることから将来治療費を請求する主張など、Yさんの将来のことをイメージしながら、強気の交渉を進めました。その結果、保険会社には、慰謝料が裁判基準の満額、逸失利益も満額、将来治療費も認めさせることができ、賠償金として合計3834万円を回収することができました。
Yさんは示談金を受領されましたが、将来に対する不安が完全に払拭されたわけではありません。そんな中でも、サリュは交通事故で大ケガをされ、後遺障害が残った方々の不安を少しでも解消できるよう、金銭賠償という点からではありますが、最大限のお手伝いをさせていただいています。