Qさん(男性・会社員)は、現場管理職として多忙な業務をこなしていました。
ある日、バイクで走行中、車線変更をしてきた乗用車に側面から衝突され転倒、足首を骨折しました。半年間以上にわたる治療もむなしく、事前認定手続きで「痛み」の等級である12級13号の認定を受けました。
Qさんの仕事には、会社の広大な敷地内を徒歩で歩き回ることが必要であるため、骨折した足首の痛みで満足に業務を行うことができなくなり、所属する部の売上も下がってしまい、その影響で御本人の給与もまた下がってしまいました。このように仕事への影響が大きかったにもかかわらず、加害者の加入する保険会社からの示談提示は、後遺障害部分については、交通事故による補償の最低金額である自賠責保険金額と全く同じ額であり、Qさんに現実に発生している業務への支障、逸失利益を全く考慮しないものでした。
保険会社の提示では、いくらなんでも安すぎる、仕事で実際に生じている支障が全く補償されていないと感じたQさんは、仕方なく保険会社と争うことを決意、サリュに相談しました。
サリュは、通常の裁判例から判断した場合、Qさんに認められる逸失利益は、本来もっと多額であるべきだと判断、保険会社と交渉しましたが、保険会社は一円たりとも増額できないとの回答でした。これを受けて、サリュは、裁判に訴えてでも本来の逸失利益を認めさせないとQさんが救済されないと考え訴訟を提起しました。裁判では、保険会社は、Qさんが事故後仕事を休まなかったことを理由に、仕事できていたから逸失利益が発生していないなどと主張しましたが、サリュは、Qさん御本人から詳しく聞き取った業務上の支障や収入減少を主張して争いました。
その結果、12級に相当する労働能力喪失率14%及び10年間の労働能力喪失期間を保険会社が認める形で和解に至りましたが、その和解金額は、総額1000万円以上にのぼりました。
結果的には、当初の5倍以上の損害賠償金を獲得することになりましたが、Qさんには、特に、仕事上発生している具体的な支障を裁判所に逸失利益として認めさせたという点で、サリュの仕事に大いに御満足頂くことができました。