Uさん(50代男性)は、横断歩道を徒歩にて渡ろうとした際、対向車線より右折してきた加害車両と衝突し、外傷性くも膜下血腫、外傷性海面静脈洞廔等の重傷を負いました。
その後、Uさんは幾度か手術を受け、懸命に治療に励み、無事退院することとなりましたが、右眼失明という障害が残ってしまいました。その障害を抱えた上での生活は支障が多く、将来へ向け考えていた目標も、実現が難しくなりました。Uさんは、それらの賠償についてお願いしたいと、サリュを訪れました。
受任後、サリュは治療を行うUさんのサポートとともに、相手方任意保険会社との交渉、医療記録の収集を始めました。Uさんの右眼失明の原因について、外傷性くも膜下血腫なのか、あるいは外傷性海面静脈洞廔なのか、本人にはきちんとした説明がなく、医療記録を分析する必要がありました。その中で、サリュは、Uさんの症状の原因は、交通事故より発生した外傷性海面静脈洞廔(内頚動脈と海綿静脈洞の間に廔孔が形成されている状態)に対する手術によって生じたものではないかと考え、主治医に意見を聞くため、面談を申し込みました。面談の結果、外傷性海面静脈洞廔とは医学上稀な傷病であること、Uさんが受けた手術は医学的にも非常に高度な技術を要するものであったが、Uさんの命を救うために実施に踏み切ったこと等の詳細な意見を伺うことができました。面談を踏まえ、今後の手続きにおいて主治医の見解を盛り込む必要があると判断したサリュは、主治医に意見書を作成していただきました。
その後、Uさんは症状固定を迎えました。被害者請求では、提出が決められている必要書類のほか、事前に準備した意見書や医療記録を提出しました。そして、被害者請求の結果、サリュが事前に想定した通りの後遺障害等級併合7級が認められました。
その後、加害者側任意保険会社との示談交渉へ進みました。サリュは、後遺障害等級認定結果を踏まえ、それらによって将来的に発生する治療費や通院交通費、また事前にUさんより伺っていた日常生活上の様々な不利益や、今後の目標に対する支障等、具体的に相手方へ訴えていきました。加害者側任意保険会社は、任意保険会社の基準に沿った金額を主張してきましたが、サリュも粘り強く交渉を続け、その結果としてサリュの主張がほぼ認められ、自賠責保険金を含め約3500万で示談へと導くことができました。
Uさんは、サリュに依頼したことで、自身は必要最低限の手間で事件解決することができたと感謝してくださり、「この結果を忘れずに前へ進みます」とのお言葉をかけていただきました。