Cさん(50代前半男性)は、片側三車線の高速道路の真ん中の走行車線を車で走行中、右側の追越車線から突然車線変更してきた相手方運転の車に衝突され、そのままガードレールに激突するという激しい事故に遭われました。幸い、命に別条はなく、骨折等の大怪我をすることもありませんでしたが、頚椎捻挫、腰部打撲等の傷害を負いました。
Cさんはお怪我の治療期間中にサリュに相談にいらっしゃいました。首、腰の痛みが症状として残ってしまいそうだが、以前にも交通事故に遭われ、後遺障害等級14級9号が首で認定されていたので、今回の事故でも妥当な等級が認定され得るのか、弁護士に相談したかったとのことです。
自賠責の後遺障害等級が一度認定された場合、その後の事故で同部位に同程度の障害が残存したとしても、等級は認定されません。もっとも、同部位である場合でも、症状が前回認定のそれを上回る場合や受傷部位が異なる場合には等級認定の可能性があります。サリュは、相談の段階でCさんに上記のことを説明し、妥当な等級認定がされるよう、当方顧問医による画像診断、後遺障害診断書作成上のアドバイスなど、等級申請手続きの段階から様々なお手伝いをしました。
結果として、Cさんには腰の痛みについて14級9号が認定されました。Cさんの頚椎、腰椎のMRI画像や神経学的所見を考慮すると、妥当な等級ということができることをCさんに告げ、14級9号を前提として直ちに示談交渉を開始しました。
Cさんは以前の事故の時、ご自身で示談交渉を進められた経験をお持ちだったので、交通事故の賠償についてかなり明るいお方でした。もっとも、その事案ごとに事情は変化するので、賠償内容も画一的ではありません。サリュは賠償実現の可能性を十分に検討した上で、Cさんとしっかり話し合い、Cさんのご希望にも適い、かつ、適正な賠償額を算出し、相手方保険会社に対して請求しました。
示談交渉は難航しました。主に通院交通費、逸失利益に対して、相手方保険会社の姿勢は強硬でした。車による通院を認めない、労働能力喪失期間を2年間に短縮するといった相手方保険会社の主張は到底受け入れることができないので、サリュは粘り強く、丁寧に交渉を続けましたが、次善の策として紛争処理センターを利用することを考え、申立書類を準備し、その旨を相手方保険会社に伝えました。このことは交渉の材料にもなり得ると予測したからです。
結果として、その後一気に交渉が進展し、迅速に適正な賠償が実現しました。紛争処理センターへの申立自体はしませんでしたが、充実した申立書類が、交渉材料として大きな役割を果たしました。
迅速かつ柔軟な対応が、Cさんの早期の適正内容の賠償実現に役立ち、Cさんは大変満足されました。