事例66:訴訟提起により自賠責等級認定制度に一石を投じる 非該当から14級獲得!

Aさんは追突事故によって、頚椎捻挫・腰椎捻挫の傷害を負いました。
これにとどまらず、事故時、妊娠中だったAさんは切迫早産の危険があるとのことで、入院を余儀なくされました。その後、大事に至らず退院となり治療を続けますが、保険会社に治療費打切を通告されたため、サリュに相談にこられました。

被害者請求の結果、非該当となりました。その理由は次のようなものです。

「被害者には、既存障害として、てんかんが認められ、事故前から発作があった。これは、自賠法施行令の別表第二9級10号に該当する障害である。本件事故による残存症状である頚部痛・腰痛は、9級10号以上の障害程度を加重したものとは捉えられないことから、自賠責保険における後遺障害には該当しない。」

到底納得できる結果ではなく、脳などの中枢神経の既存障害と局部の痛みである神経症状を「同一部位」として扱う現行の自賠責等級認定制度は不合理であるとして、サリュは訴訟提起をしました。

裁判では、相手方が、被害者の頚部痛・腰痛は他覚所見のないものであり、そもそも14級9号に該当するような後遺障害とはいえない旨主張してきました。

これに対し、サリュはAさんの通院実績・症状の推移などからすれば、頚部痛・腰痛が将来においても回復が困難と見込まれる障害と言うべきであるとし、その上で、自賠責保険における等級認定制度が不合理であると強く裁判所に訴え続けました。

その結果、裁判所が「-(略)てんかん発作は服薬によってほぼ完全に抑制されていたことに鑑みると、本件事故によって、それ以前にはなかった新たな症状が出現し、残存していることについて、本件事故の損害として評価するのが相当である。」と判断し、Aさんの頚部痛・腰痛を後遺障害と認めた上で、慰謝料などを含む425万円の和解案の提示があり、同額で和解成立となりました。

今回の解決が、Aさんと同じく「てんかん」を患う交通事故被害者にとって、一筋の光となることを願ってやみません。

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