Nさん(37歳・男性)は、車に乗って停まっていたところを、後ろから追突され、外傷性頸部症候群、腰背部打撲等の傷害を負いました。
Nさんは、事故直後より、頸部の痛みや上肢のしびれと、腰部の痛みや下肢のしびれがあり、治療のため半年以上通院を続けました。しかし、症状は一向に治まらず、Nさんは、後遺障害が残るかもしれないと考え、その後の示談交渉も含めて、サリュにご依頼いただくことになりました。
Nさんは、その後も治療を続け、事故から1年に亘り通院しましたが、Nさんには症状が強く残ってしまいました。Nさんの、頸部痛・上肢のしびれと、腰部痛・下肢のしびれの症状について、自賠責は、それぞれ後遺障害等級14級9号(併合14級)と認定しました。
しかし、サリュは、更なる上位等級獲得を視野に、顧問ドクターの協力のもと、14級の認定結果が妥当なものか、検討しました。すると、Nさんの頸部・腰部のMRI画像にはヘルニアがはっきりと認められ、さらに、神経学的テストの結果も有意であったため、サリュは異議申立をして12級13号に認定される可能性が高いと判断しました。
そこで、サリュは、画像所見、神経学的テストの結果と、Nさんに出ている症状との整合性を詳細に説明した異議申立書を自賠責に提出しました。
その結果、頸部痛・上肢のしびれについて、無事に、12級13号の認定を受けることができました。
後遺障害の適正な認定が受けられたら、次は、その認定を踏まえた損害賠償を請求することになります。サリュでは、Nさんが受け取るべき適正な損害賠償額を計算し、相手方保険会社に請求しました。
しかし、相手方についた弁護士は、請求に対する回答をなかなか示さず、示談交渉では早期に適正な損害賠償金を受け取ることが難しいと考えたため、サリュは、裁判所に損害賠償請求訴訟を提起しました。
相手方は、Nさんに残った症状について、事故とは因果関係がなく、自賠責の等級認定結果が妥当なものではないとの主張を展開してきました。これに対し、サリュでは、ここでも顧問ドクターにNさんの画像と医療記録を診てもらい、Nさんの症状と事故との間に因果関係があることを説明するための、医学的な意見を聞き出して、裁判所に示しました。
結果、裁判所は、サリュの主張どおりNさんの症状と事故との間には因果関係があること前提に、自賠責の認定結果どおりの後遺障害を認め、最終的な支払額を約1100万円(自賠責保険金224万円を除く)とする和解が成立しました。
この結果に、Nさんからも感謝のお言葉をいただくことができました。